FULLHALTER  



ミクロの世界 ~キングコブラ/筆記角度



3Bとクロスポイント BからEF 森山モデル クロス キングコブラ


キングコブラ/筆記角度

キングコブラ

今回はいよいよ初公開 クロスポイントのキングコブラである。このキングコブラは、ベースのペン先の下に2枚のペン先を貼り付けたものである。
詳しい方は、クロスポイントにも表クロスと裏クロスがあることをご存知だろう。 表クロスとは、ベースのペン先の上(表)にもう一枚のペン先を貼り付けたもので、今回ご紹介した一連の<クロスポイント その1~その3>がそれである。裏クロスとは、ベースのペン先の下(裏)にもう一枚のペン先を貼り付けたものだが、一枚ではなく、二枚のペンを貼り付けたものをキングコブラと呼んでいる。 ただし、裏クロスの場合は、ベースのペン先の先端部分の下に更にペン先が貼り付けられている為に、ペン芯上部を削り、加工して合わせなければならない。

《 調整万年筆の書き味 》 のページで申し上げた通り、ニブポイントの紙に当たる形状は、四角・丸・三角、更に四角の中でも、正方形・長方形というように、少々大げさに言えば、自由自在である。その形状により、書かれた文字の表情が全く変わるのである。どのような形状を好むかは、その人の好みであり、その人の書く字との相性でもあるだろう。

キングコブラの特徴は、紙に当たる部分のポイントの形状が三角形で、正三角形に近い形状になる。 クロスポイントのその2(Zure)は、三角形でも特に二等辺で、底辺が短い形状になる。 それぞれの形状で書かれる線の太さや、縦・横の太さのバランスがどのようになるのか、想像して楽しんで欲しい。三角形の底辺が短い形状のペン先は、「いり」「とめ」「はね」「はらい」の感じが最も出やすい形状である。

私の25年の万年筆生活の中で、クロスポイントとの出会いは衝撃的だった。これまでの万年筆の概念を変えてくれた。 これ程太いペン先を、誰が何の目的で使うかという命題に、ぶつかるところはある。しかし、この書き味を多くの方に、味わって欲しいと思う。現在、長原さんが大変お忙しく、新たにクロスを作っていただくことが難しい状況にある。フルハルターに在庫があるので、興味のある方は、是非書き味を体験してみてください。



クロスポイント キングコブラ 左:研磨前 右:研磨後






ペン先の比較

今回はこれまでご覧いただいたクロスポイント その1(Old)・その2(Zure)・その3(New)・キングコブラの研ぎ出したポイントの同時比較をご覧ください。これらのペン先で書いた文字、そして太さがどのようになるのか、想像してみて楽しんでいただければと思います。



<比較1> 左から順に クロスポイントOld、Zure、New。






次に、クロスポイント(New)と、クロスポイントキングコブラの比較画像をお送りする。私のコメントなど必要ないと思う。キングコブラの幅の広いポイントを実感していただけるだろう。



左:クロスポイントNew 右:クロスポイントキングコブラ



各種ペン先による文字の筆跡比較

今回は、これまでミクロの世界でご紹介した「Bから研ぎ出したEF」・「森山モデル」・「クロスポイント」各種のペン先と、メーカーから出荷されたままのEF・Mのペン先で実際に書いた文字の太さの比較を皆様に見ていただく。

NO.1は、それぞれのペン先を紙面から30度・45度・60度で筆記した比較。特に、クロスポイントのOldと、Zureは、その角度により、書かれた文字が全く変わってしまうことを見ていただけると思う。皆さんは、あの拡大画像からこの太さの違いを連想できただろうか。そのことが連想出来た方は、相当な方だ。
NO.2は、筆記角度約30度で書いた文字。
NO.3は、筆記角度約60度で書いた文字である。



NO.1 それぞれのペン先を、紙面からの筆記角度 30度・45度・60度で書いたもの。



NO.2 筆記角度 約30度で書いたもの。



NO.3 筆記角度 約60度で書いたもの。


【ミクロTopへ】