使えば使うほど、使い手の筆記角度そのまま、ニブポイントの紙に当たる部分が、すり減る。 5年10年15年と経過してくると、減った部分が平らになって、持ち主にとっては何の抵抗もなく、ヌラヌラ・スルスルと書ける様になるが、他の人がその万年筆を使おうとしても、平らにすり減った部分の角が当たり、インクは切れるし、ものすごくヒッカカり、持ち主以外の言うことは聞かなくなる。
昔のことわざで、万年筆と女房は人に貸すなと言われている。 おもしろいことに以前高齢のドイツ人女性のペン先調整をした時に、ドイツにも3Fということわざがあり、1つは忘れたが、フルハルター(万年筆)とフラウ(女房)は人に貸すなということわざがあると聞いた。
無理矢理思い通りにしようと思ってもうまくはゆかない。 じっくりと時間をかけて慈愛に満ちた接し方をしなさいということか。
また、大げさに言えば、文字そのものが文化であろう。その意味で言えば万年筆そのものが文化と言っても過言ではないと思う。 筆記具の中でも、特に万年筆は人間との関わりが非常に強い。 最近の万年筆に、ファッション化している傾向があるのを心配している。 万年筆は決してファッションにしてはならないし、その反対側に位置している道具である。
フルハルターとはドイツ語で「万年筆」という意味です。
店主の森山信彦は、ドイツ万年筆メーカー『モンブラン』の日本総代理店に1977年に入社し、品質管理アフターサービス部門に17年間勤務しました。その17年間は、ドイツモンブラン社での技術研修や技術的な問題での討議を経て、アフターサービスステーションに来られる様々な好みを持つ使い手の要望に応えるべく、ペン先研磨に邁進してまいりました。
この17年間の経験の結果、
“万人にとって最高の書き味の万年筆”が存在することはなく、書き易い万年筆とは、使い手の筆記角度や筆圧、またその使い手の好みに合わせて、その人の為だけに調整された万年筆である”
との結論に達しました。
よって、1993年「フルハルター」開業以来、フルハルターは次のポリシーを徹底して実践してまいりました。
これら哲学を実践する場合、やはりどうしても無責任な通信販売は行えません。これまでずっと、万年筆をご使用になられる方に必ず一度はご来店頂き、実際に書いて試して頂くという販売方式を徹底して行ってきたのはその為です。現在でもその思いは何ら変わりません。どうか一度「フルハルター」にいらして下さい。そしてあなた自身で万年筆の書き心地を試していただきたいと願っています。
フルハルターでは使う方に合わせて必ずニブポイントを研ぎ出し調整して販売しております。
従って、販売価格には研ぎ出し調整料も含まれ、定価販売です。
2009-05-01 「フルハルターについて」
はじめておいでの方は、まず《万年筆のメカニズム》・《ミクロの世界》などからお入りください。 フルハルターがもっともこだわっているペン先(ニブポイント)の詳細について、図解でごらんいただけるようになっております。
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